「肝」は怒りの臓器
「腎」は怖れの臓器・・・なんて、
聞かれた事ありませんか?
これらは東洋医学の考え方で、
陰陽五行がベースとなっています。
「肝は怒り、腎は怖れ・・」という言い方は
わりとよく使われますが、でも
ワンフレーズだと、ちょっと深くイメージできないように思います。
たとえば、
「心(心臓)は興奮」と言われますが、これは
心臓がバクバクする様子がイメージしやすいですね。
でも
心臓の「興奮」状態は、程度がほどよければ「喜び」の状態です。
そんなふうに、
健康な状態であれば、調和的な精神状態となります。
精神状態の幅を知ると、
各内臓の好・不調状態により
私たちはどのような精神状態になりやすいか?がイメージしやすくなります。
従いまして今回は、
各臓器の健康状態と、
臓器の状態から影響を受けやすい
私たちの精神状態について見ていきたいと思います。

まずはこの図をご覧ください。
「肝」は忍耐⇔怒り
冒頭でもお話ししましたが、
「肝」の臓器(肝臓・胆のう)が健康であれば、
ぐっと一呼吸置く忍耐力や向上心といった、
精神力の強さが発揮されます。
でも不調だと、
私たちは怒りを感じやすくなります。
出来事に対して執着してしまったり、気が短くなったりしやすいです。
「心」は喜び⇔興奮
「心」の臓器(心臓・小腸)が健康であれば、
ものごとを直観的に理解でき、
落ち着きや一体感、喜びを感じられます。
けれども不調だと、
興奮しやすく、笑いすぎたりする傾向があります。
「脾」は理解⇔疑い
「脾」の臓器(胃・脾臓・すい臓)が健康であれば、
より優れた知恵を理解する共感能力や
深く理解する力が高まると言われます。
でも不調だと
情緒が不安定になりやすく、
物事に対して疑い深くなる傾向があります。
「肺」は愛⇔悲しみ
「肺」の臓器(肺・大腸)が健康であれば、
より広い視野を持った愛、幸福感・安定感に満たされます。
けれども不調の時には、
何でも心配になり、悲嘆にくれやすい傾向があります。
「腎」は勇気⇔怖れ
「腎」の臓器(腎臓・膀胱)が健康であれば、
インスピレーションを生みやすくなるので
よしやるぞ!という意の力が存分に発揮されます。
でも不調の時には、
恐れの傾向が強くなったり、鬱々としやすくなったりします。
いかがでしたでしょうか。
「からだと心はつながっている」と聞かれたことも、
おそらくあると思います。
ある感情に囚われているなと感じた時には、
臓器との関連を思い出してみて、
その臓器を労わる、というアプローチもいいかもしれませんね。
